先生、こんにちは。(このクソ野郎!)

先生、こんにちは。(このクソ野郎!)

大学院進学時に研究室を変えた話をします。

研究室ロンダリング マニュアル(1)仮候補リストの作成

1. 仮候補リストの作成

君が研究室ロンダリングを検討したいと思ったら、まずは仮の異動先候補リストの作成から始めるのが良いだろう。これは、将来どうこうでなく今の研究室に不満があって、極端な話「何でもいいからとにかく今の研究室を出たい」という後ろ向きな学生のみならず、「〇〇研究室で△△の研究をしたい!」という前向きな学生にとっても、注意してほしいステップとなっている。

 

 

1.1. とりあえず、ざっくりと流れを説明する。

まずリストアップまでの流れをざっくり説明していくが、あまり難しく考える必要はない。極端な話、雰囲気で良い。とにかく今の研究室から出たいと思っている君は、とりあえず身近な同級生や先輩に軽く話を聞いて回り、全体的に見てホワイトそうな噂が流れている研究室を2, 3個(それ以上でもOK)リストアップしよう。ただし、ホワイト研究室の定義は人によって異なるため、自分にとってのホワイト条件をあらかじめ洗い出しておこう。ちなみに、話は又聞きでも構わない。既に行きたい研究室がある君も、それに関係がありそうな研究室の中から「まあ、行っても良いかな」くらいに思えるところを1, 2個は候補リストに足しておけると良い。詳しくはこの記事の後半で説明するが、研究室ロンダの検討理由が後ろ向きか前向きかに関わらず、噂を聞いただけの段階から候補を1つだけに絞るのはリスクが伴う。これを回避するためにも、まずは緩い基準で候補を挙げてみよう

 

1.2. その研究室は本当にホワイトか?

世の中には露骨な研究や就活への妨害や、異常な拘束などのアカハラが横行しているような、どの学生が見てもブラックだとわかる真っ黒な研究室が存在する。これに比べて、誰が見てもホワイトと言い切れる研究室は非常に数が限られているように思う。なぜなら、どんな研究室がホワイトかの判断基準が人によって違うからだ。

たとえばの話をしよう。先生は優しいし、先輩も面白い人が多い研究室がある。しかし、その研究室ではかなりの頻度で飲み会が開かれるという。君ならこの研究室はホワイトと感じるだろうか、ホワイトではないと感じるだろうか。お酒が好きな人はホワイト認定をするかもしれないが、お酒が苦手な人やお金で苦労している人、人間関係を煩わしいと感じる人は判断に迷うのではないだろうか。

このように、ホワイトと噂される研究室であっても、ブラックとまでは思わないが、自分にとってホワイトとは言い切れない…と感じる人は一定数いるだろう。そこで、自分にとっての基本的なホワイト条件(先生が厳しいかどうか、雑用で忙しくならないか、など)をあらかじめ把握しておこう。そして、ひとまず噂で得られた範疇について、自分の基準と実際の研究室ではどうなのかを比べてみよう。

一方で、実際に研究室へ入ってみないとわからないようなこまごまとした部分で、君にとって受け入れ難いことが出てくる可能性は否定できない。かと言って、そのようなことを一つひとつの研究室で聞いて回るのはかなり骨の折れる作業になるだろう。

 

1.3. 候補は2つ以上出そう。

そんなわけで、私としては最初から学科や専攻の中でいちばんホワイトと噂の研究室の一点張りはおすすめできない。その代わりに、周囲の話を基に比較的ホワイトと予想される研究室をいくつか候補として挙げておく。

これは無暗に選択肢を狭めないようにするためだ。どんなにしんどくても、どんなにやる気がなくても、候補は最低2つ欲しい。一点張りでは、調べていく過程で自分にとっての懸念事項を見つけたとして、そこから別の候補を探す、そこの先生と面談する…とった後の作業がどんどん遅れてしまう。また、候補が2つ以上あれば、それらを比べることでそれぞれの利点欠点がわかりやすくなるというメリットがある。できれば3つくらいの研究室を比べておきたい(候補を選べるほどホワイトと言われている研究室の数がないということであれば、ある中で考えるしかないが)。もちろんそれ以上でも良い。時間との戦いになるとどこかで妥協が必要になるが、ここで作るリストはあくまで仮。言わば網目の大きな『ふるい』だ。どうせ後々絞り込むのだから、無理のない範囲でなら欲張っても構わないだろう。

同じような理由で、「自分はここに行きたいんだ!」という明確な意思を持った学生であっても、候補は複数挙げておくことをおすすめしたい。行きたいと思っているのとは他の研究室でも、意外と自分がやりたいことはできるかもしれないし、調べていく中で新たな興味・関心を持つ分野が見つかるかもしれない。それに私としては、研究活動はそのテーマよりも、指導教員を含むその研究室での人間関係に大きく依存するものと考えている。ほかの研究室との比較は、「この先生の下で本当にやっていけるのか?」と冷静に考える良い機会になると思う。